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スラッシュドット・ジャパン : ISP でのパケット検閲による行動ターゲティング広告、総務省が容認 - バーターかな [Anonymous Coward : 2010年05月31日 11時11分 (#1771939)] (via fudan10u)

とりあえず「知的財産法政策学研究28号」にある「オンライン上のゲートキーピングの歴史 (1)」(PDF)は読むべき。 (hexe)

- http://hexe.tumblr.com/post/649562689#

というコメントを頂いたので、ここで訳者の一人から本論文の大胆な要約(内容の保証はしないので、ちゃんと本文を読んでね)!

まずはおさらい。

皆さんご存知(のはずの)ローレンス・レッシグは、人を規制するのって法以外にも、市場とか社会規範とかアーキテクチャなんてのがあると言った。しかも、市場とか社会規範とかアーキテクチャは、法によって変えることができるとも指摘していた。例えば、立法者が「俺、絶対ヘビとか見たくねえ!文字ですら嫌!」と考えた場合、ヘビ・蛇などの文字を含む文章を検索結果に表示させないようにしたり、とぐろとかウロコを自動検出してヘビが写っていそうな画像を排除させたりすることも、技術上はまあ可能であろうということ。



ここでのポイントは、技術も人の手で構築されたものである以上、人々によって変革されうるということだった。それで、レッシグは、上述したような可変性を危なっかしいものだと考えている。規制強化に結びつきやすいんじゃないか、今あるインターネットの自由さは脆くも崩れ去るんじゃないかって懸念だ。


で、ここからはジットレインの議論。


ジットレインは、法が命令してアーキテクチャを変えるって、具体的にいうと、法律でISPとかGoogle先生とかを縛って、コードを変えるってことだよね、つまり、それって間接規制じゃん、とレッシグの議論をもうちょい具体化した。
間接規制というのは、規制において何らかの媒介者を用いるものをいう。例えば、社長さんたちがまっとうな経営をしているか見張るために、会計士さんがバランスシートをチェックする義務を課すという割と昔ながらの手法だ。
とはいえ、個人を特定したり個人の行動を規制したりすることを促すように技術自体を変化させるという点で、インターネット上の間接規制は、伝統的な規制とはひと味違うものになっている。
このような規制を担う人を「技術的ゲートキーパー」(technological gatekeepers)と呼ぶ。ISPや検索エンジン、OSP、携帯電話事業者なんかはみんな技術的ゲートキーパーになりうる。


で、さらにジットレインの議論が面白いのは、レッシグの懸念をよそに、意外なほど限定的な形でしか規制がされてきてなかったんじゃね、という認識をもっているところだ。
そこで、ジットレインは、名誉毀損とかピンク(または肌色)な表現、著作権侵害などなどがどのように規制され、または、規制されなかったかを歴史的に分析する。
名誉毀損については裁判で頑張って争ったので規制が限定的になったし、著作権の場合、ゲートキーパーに直接的な責任を負わせようっていう画策はいっぱいあったんだけど、インターネットがhub-and-spokeモデルを採用していたので、商業化が進むにつれてISPとかは資金も十分に持って政治的影響力を持つにいたったので、激しく抵抗した。そのため、事後的に見れば、立法過程における政治的綱引きによって、免責とかいろいろ「抜け道」を作れたというわけ。


以上が公開されている分。P2Pでは「和解案を飲まなきゃ、裁判沙汰にしちゃうぞ」みたいな現実に個々のユーザーが直面しなければならなくなった理由とかソフトウエアの自動アップデート機能を使った規制のヤバさなどについては、次号!(たぶん来月くらいに公開?)

(via inf)

TumblrでYoutubeとViacomの裁判のネタを見かけないし、はてブでも話題にはなっていないようなので(どうも自分の観測範囲だと日本ではこの裁判より#librahackの話の方が盛り上がってしまっているように見える)ちょっと書いておくと、この裁判はジットレイン先生のこの論文の流れに沿ったもので、この司法判断は今後10年、20年くらいのスパンで影響力を持つ可能性がある。だから、インターネットにおける規制の在り方について知っておきたいならこの論文は絶対に読んでおく必要がある。日本ではレッシグ先生の議論でさえ10年以上経った今でも理解されていない嫌いがあるので、ジットレイン先生のこの話も日本で理解されるにはあと10年くらいの時間は少なくとも必要だと自分は思っている。

(via pdl2h)



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June 26, 2010